6月21日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は野本知理(千葉大学)が案内役を務め、
上演いたしました。
はじめにアラスカのオーロラの映像を立体で見ていただきました。このシンラドームで
見る立体オーロラは実際のオーロラを特殊な方法で撮影し、とてもきれいなものです。
ぜひ一度見に来て下さい。オーロラの緑色に光っている正体は大気中の酸素です。
次のコーナー「分子の世界」ではこの窒素などの原子から構成される身の回りの分子に
ついてみなさんで見ていきました。みなさんがよく耳にするビタミンも種類によって
つくりが違うことが分かりましたね。色々な分子を見ていくとどれもゆらゆらと動いて
いました。これは温度が関係しています。氷は温度を上げると溶けて水になり、さらに
温度を上げると気体になりますが、食塩の場合はどうなるのでしょうか?
次のコーナーでは小さな世界から変わって大きな世界、太陽系を見ました。もしも
突然、太陽がなくなってしまったら惑星たちはどうなってしまうんでしょうか。実際は
起こりえないですが、みなさんと予想しながらさまざまな実験ができました。
「ゲストコーナー」では国立天文台チリ観測所の廿日出文洋(はつかでぶんよう)さんに
「塵の向こうの巨大爆発-アルマ望遠鏡で探るガンマ線バーストの発生環境」という
タイトルでお話いただきました。廿日出さんはチリ観測所で望遠鏡の建設や運用に
携わっており、ガンマ線バーストの研究をされているそうです。皆さんが夜見る星にも
一生があります。宇宙に漂うちりやガスが集まり、太陽のように自ら輝く星が誕生します。
太陽よりも重い星は超新星爆発という爆発を起こし、その一生を終えます。ガンマ線
バーストとはこれよりもさらに重たい星が一生を終えるときの大爆発で宇宙最大級の
爆発現象です。その多くは光の速さでも数十億年かかってしまうほど遠くで起きて
いるそうです。今回は43億光年離れたガンマ線バーストを再現した映像を見せて
いただきました。ガンマ線バーストの周りにはちりや分子ガスが漂っている様子が
わかりました。廿日出さんはおよそ10年にわたって長野、チリ、フランスなどの干渉計や
望遠鏡で、ガンマ線バーストが発生した銀河での分子ガスの観測を行ってきた
そうですが、分子ガスの信号をなかなか検出することができず、世界最高性能の
望遠鏡であるアルマ望遠鏡ができて初めて検出できるようになったそうです。
ALMAで観測されたガンマ線バーストが起きた銀河の分子ガスの信号や写真も
見せていただきました。数十億光年も遠くで起きている爆発が様々な望遠鏡を
使うと見ることができるということは驚きです。ガンマ線バーストの正体に迫って
いくことで星の一生の謎が解明されていくかもしれませんね。
本日6月21日は一年で最も昼が長い夏至でした。これから本格的な暑さを迎え
ますが、お近くにお立寄りの際は少し涼みに、そして科学の魅力を感じにぜひ
科学ライブショー「ユニバース」にお越し下さい。