7月25日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は大朝由美子(埼玉大学)が案内役を務め、
チーム埼玉大学で上演いたしました。
オープニングでは3Dによる大迫力のISS(国際宇宙ステーション)が登場しました。
このISSには7月23日から、日本人の油井宇宙飛行士が滞在しています。油井さんは、
今後5ヶ月ほど、ISSの運用、宇宙環境を利用した科学実験など様々なミッションを
行なっていくそうです。
さて、景色は変わり暑い日ざしが降り注ぐ科学技術館へ。まずはその暑さの源である
太陽の姿をみなさんと見ていきました。目で直接見てはいけない太陽ですが、望遠鏡に
特殊なフィルターをつけると詳しい姿を見ることができます。
埼玉大学で観測した太陽を眺めてから、真昼の日本を飛び出して夜の世界、日本の
反対側にあるアメリカのヤーキス天文台の夜空を見にいきました。ヤーキス天文台の
夜空にはみなさんのよく知る夏の大三角やさそり座が見えました。そしてヤーキス
天文台にいるビビアンさんとライブ中継。あいにくヤーキスの空は曇りということ
ですが、あらかじめ撮られた天体画像を送ってくださいました。土星の画像には
しっかり環がありましたね。


M17.png
図:M17
sat2.png
図:土星

今度は地球を飛び出して太陽系の姿をみなさんと見ていきました。先ほど画像で見た
土星の環は実は通り抜けることができるほどスカスカなのです。そして徐々に太陽から
離れた星たちへクローズアップし、準惑星である冥王星へ。冥王星は最近話題になっている
ニューホライズンズによってはっきりとその表面が捉えられました。みなさんも是非
ニュースなどで見てみてください。
天の川銀河を飛び出して様々な銀河を見つつ宇宙の果てまで遊泳を楽しんだところで
本日のゲストコーナーへ。斎藤 智樹さん(国立天文台)をお招きし、
「太古の宇宙に栄えた大都会~変わった銀河は変わった場所に現れる?~」
というタイトルでお話いただきました。
斎藤さんは120億光年かなたのライマンαブロッブ(LAB)という、ガスが広がった
変わった銀河について研究を行なっているそうです。LABは私たちの住む天の川銀河
よりはるかに大きく、約10000度の高温ガスでできています。銀河の周りにある
ガスが加熱されると、水素の出すライマンαという光を発します。
ではこの銀河の”周り”とはどんなところなのでしょう。ハワイにあるすばる8.2m望遠鏡
によってその実態を観測しているそうです。すばる望遠鏡は多くの光を集めることが
できるため、暗い銀河を観測するのに最適です。
観測から、このLABの近くには、銀河が混み合っていることがわかってきました。
謎の巨大銀河の近くに、なぜ銀河が密集しているのか、
今後の研究でさらに明らかになるかもしれません。
「ユニバース」では毎回さまざまなサイエンスにまつわる話題をお届けしています。
夏休みは始まったばかり。ぜひ科学技術館4Fシンラドームへお越し下さい。