3月4日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、野本知理(千葉大学)が案内役を務め、
平松正顕さん(国立天文台チリ観測所)をゲストにお迎えしてお送りしました。
今回は「分子の世界」から始まり、調味料を順番に紹介していきました。
今回は大人の方の回答が多かったようです。続く「恒星間飛行」では、
過去と未来の人が見る星空を時間を進めたり、恒星に飛んで行ったりして紹介しました。
「重力の不思議」では、太陽を消したり増やしたりとシミュレーションを行いました。
最後に「ゲストコーナー」を行い、ライブショーを終えました。
ゲストコーナーでは、平松正顕さん(国立天文台チリ観測所)をお招きし、
「標高5000mから探る宇宙:アルマ望遠鏡」という題目でお話しいただきました。
アルマ望遠鏡は南米のチリ北部の砂漠の中、標高5000mに位置している世界最大級の
電波望遠鏡群です。
周囲を砂漠に囲まれ、非常に天気が良く空気も澄んでいて観測に適した気候と
なっています。
ここへ行くためには、なんと日本からでは40時間、飛行機を2回乗り継ぐ必要が
あるんだそうです。
そんなアルマ望遠鏡は、直径10mのシンラドームほどの大きさがある、
7mと12mのパラボラアンテナを組み合わせることで観測を行っています。
観測を行うといっても、ただの写真を撮るだけではありません。
私たちが普段見る天体写真で暗黒星雲として真っ暗に見える部分は、
アルマ望遠鏡を使って電波で見てみると、電波を強く出していることがわかります。
また、アルマ望遠鏡は非常に視力が良く、その値はなんと最大6000。
東京から大阪にある一円玉を識別できるほどです。
これらの観測から、地球のような惑星がどのように誕生進化したのかや、
生命の起源となるアミノ酸などが宇宙に存在しているのかなどを日々調査しているのです。
代表的な成果として、生まれて100万年ほどの恒星のまわりの観測が挙げられます。
恒星のまわりの塵の円盤がはっきりと写し出され、同心円状の隙間が何本も入っていて、
明るい塵の帯と交互に並ぶ様子がまるでバームクーヘンのように見えているのです。
最新の成果では、年老いた星が噴出するガスの様子をとらえ、どのようにガスを出して
死んでいくのかを調べる足がかりを示しました。
今後も星の生死の過程を追うアルマ望遠鏡の成果にご期待ください。
科学ライブショー「ユニバース」では、毎週様々なゲストをお呼びして科学の話題を
お送りしています。
ぜひ科学技術館4階シンラドームへとお越しください。