10月3日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は野本知理(千葉大学)が案内役を務め、
ゲストに菱田真史さん(筑波大学)をお迎えして上演しました。
まず「分子の世界」のコーナーでは身近な分子の形をクイズを交えながら
紹介しました。
小さな分子の世界の次は大きな宇宙の世界、「恒星間飛行」を行いました。
星を見上げる位置や時間の違いが、星の見え方にどのような影響を
与えるのか体験していただきました。
次は太陽系の惑星たちの公転に迫る「重力の不思議」
地球がどうして公転できるのか、そして太陽系から太陽が消えたら、
増えたらどうなるのかの質量シミュレーションを行いました。
時には太陽を6個まで増やし、複雑な太陽系惑星の動きに観客は
盛り上がっていました。
「ゲストコーナー」では「「やわらかいもの」が作る美しい形」と
題して、身近にある物質の美しい写真や映像を科学的な知識を
交えながら上映しました。
身近にあるやわらかいもの、ふわふわ、もちもち、いろいろありますね。
これらの物質は「ソフトマター」と呼ばれ、
食品や洗剤、化粧品や液晶、さらには生体分子である細胞に
至るまで、ありとあらゆるところに存在します。ソフトマター
には自発的に形や模様、動きや色を生み出すことができる
「自己組織化」をしやすいという特徴があるそうです。
そして、自己組織化によって物質は美しい様々な姿を
見せるのです。
まずはじめに見せていただいた液晶の顕微鏡写真と映像は、
液体でも固体でもない性質によりとげとげしさとなめらかさとが
混じったなんともいえない美しさを持っていました。
そしてシャボン玉の映像では、時間が経つと上部に黒いぶつぶつが
現れましたが、この現れ方のメカニズムはわかっていないそうです。
シャボン玉でもまだわからないことがあるとは驚きですね。
最後に、水の落下映像を見ました。水は落下する際に不安定性という
特殊な性質が現れます。さらにこれを拡張すると水の中に水の玉を作る
「逆シャボン玉」ができるのだそうです。私たちの細胞はこの「逆シャボン玉」と
同じような構造でできていると言えるのだとか。
やわらかいものの不思議な動きを眺めていると、「生きている」とは
何なのか?という疑問を持つと菱田さんはいいます。
そして、その答えはわからないけれども、身近にある自然現象は
美しい、そこに変わりはないとのこと。みなさんも身近なものに、
目を向けてみてはいかがでしょうか?
「ユニバース」では毎週土曜日に様々なゲストをお招きして、
科学にまつわる最新の話題をお届けしています。
ぜひ、科学技術館4Fシンラドームにお越し下さい。