2月11日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」では、矢治健太郎(自然科学研究機構 核融合科学研究所)が案内役を務め、ゲストに仲田資季先生(自然科学研究機構 核融合科学研究所 准教授)を迎えてお送りしました。

「太陽系の姿」のコーナーでは太陽系の惑星を内側から順に簡単に紹介しました。今の時期、火星は肉眼で見ることができます。火星は酸化鉄という物質の影響で実際の夜空でも赤っぽく見えるそうです。天気の良い日にはぜひ空を見上げて探してみてくださいね。

続いて最近の太陽について、国立天文台の太陽望遠鏡や太陽観測衛星ひのでによって撮影された画像や動画とともに紹介し、黒点の数などを確認しました。黒点の数は11年周期で増減を繰り返しています。最近は黒点の数が増えて太陽の活動が活発になっており、太陽フレアがたくさん発生しています。

「本日の星空」のコーナーでは、今の季節に見ることができるオリオン座やシリウス、プロキオンなどの星たちを紹介しました。さらに天の川銀河を確認し、天の川銀河のガス雲について紹介しました。現在、天の川銀河のガス雲の分布を核融合科学研究所や国立天文台が共同研究をしています。この研究にはAIが活用されているそうです。また、ZTF彗星を紹介しました。みなさんはZTF彗星を知っていますか?この彗星はいま火星の近くで見ることができる彗星で、変わった尾が観測されました。この彗星は動きが速く1時間のうちに写真ではっきりわかるほど移動しています。この彗星が次に地球に近づくのはなんと約5万年後だそうです。

ゲストコーナーでは、仲田資季先生に『地上に星をつくりだす「人工恒星」への挑戦』と題してお話をしていただきました。仲田先生はプラズマという物質の乱流を解明し、地球に小さな太陽(恒星)をつくるという研究をされています。今日は仲田先生が研究しているプラズマ物理学という分野の魅力を紹介していただきました。
太陽(恒星)はおよそ100億年もの間、輝き続けその光によるエネルギーを地球に届けています。ではなぜ太陽は輝き続けているのでしょうか。その理由には「プラズマ」という物質が大きくかかわっています。プラズマとは、電子と原子核がバラバラになった高温のガス状物質のことをいいます。実は宇宙の99%以上の物質はプラズマであり、プラズマが燃えることで星たちは光っているのです。このプラズマが燃える反応を核融合反応といいます。つまり、核融合エネルギーこそが恒星を輝かせつづけるエネルギー源であるということです。今、フランスでは燃えるプラズマを閉じ込めて人工恒星への夢へと挑戦するための大規模な核融合炉が建設されています。完成が楽しみですね。
さて、人工恒星をつくりだすにはプラズマの乱流の研究が必要です。乱流とは、名前の通りぐちゃぐちゃした流れのことです。この乱流によってプラズマの熱やエネルギーが放出されてしまい、プラズマが燃えなくなってしまします。この問題を解決するために、乱流の仕組みを解明することが必要不可欠です。このようにプラズマ物理学には、地球に生まれた私たち人類が地球に星を創り出すことができるという魅力があります。

最後にすばる望遠鏡で観測されたキングギドラ超銀河団を紹介しました。この超銀河団は少なくとも19の銀河団を含むそうです。

科学ライブショー「ユニバース」では毎回さまざまな科学の話題をお送りしています。ぜひ科学技術館4階シンラドームへお越しください。

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