本日の科学ライブショー「ユニバース」は大朝由美子(埼玉大学)が案内役を
務め、上演いたしました。
あたたかくなり、科学技術館の周りも桜が咲き始め、すっかり春らしくなりました。
まずはそんな春の陽射しを注いでくれる太陽の姿を、埼玉大学で撮影した太陽画像に
写った黒点やプロミネンスに注目しながら見ていきました。埼玉大学では様々な波長で
太陽の活動を観測しています。肉眼では見られない貴重な姿を見ることができました。
今度はシンラドームの時計を進めて今夜20時の東京の空へ。季節は春ですが、夜空には
まだ冬の星座が輝いています。天頂付近には、たくさんの星座の中を縫うように移動する
星たちもいます。惑星です。地球を飛び出して、惑星たちを一つずつ見ていきました。
みなさん元気よく惑星の名前を答えてくれました。さて、来週4月4日はある有名な天文
現象が起こることをご存知ですか。実は、太陽、地球、月がほぼ一直線上に並び、
月が赤暗くなったり、欠けたように見えたりする「月食」が起こります。しかも今回は、
地球の影に月が全部隠れる「皆既月食」が日本全国で見られます!次回のユニバース
でもう一度詳しく解説するのでお楽しみに。来週は、お月見とお花見を一度に
楽しめそう・・・☆
「ゲストコーナー」では、吉井健敏さん(東京工業大学)をお招きして、「レントゲンで
見るブラックホール」というタイトルでお話いただきました。レントゲンでブラック
ホールを見る?どういうことでしょう?レントゲンでなじみ深いX線を使うと、目で
見えない天体の姿を探ることができます。しかし、X線は地球の空気が邪魔して地上まで
届きません。そこで国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されているMAXI(マキシ)で
宇宙から観測しています。目で見える可視光とX線とでは、私たちの住む天の川銀河の
見え方が全然違うことに驚きの声が上がりました。ブラックホールが他の星の
表面ガスを吸い込むときに、ガス同士がこすれあう摩擦熱でX線が放出され、それを
観測するそうです。吉井さんはMAXIで発見されたブラックホール連星(ブラックホールと
星がペアになったもの)の性質などを研究されています。天の川銀河にはブラックホールが
およそ4億個もあると予想されています。これからの新たな発見に乞うご期待!
「ユニバース」では毎回さまざまなサイエンスにまつわる話題をお届けしています。
一度来ていただいた方も、またお越し下さい。
3月28日@科学技術館
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