1月23日@科学技術館

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本日の科学ライブショー「ユニバース」は、大朝由美子(埼玉大学)が
案内役を務め、ゲストに小山佑世さん(国立天文台ハワイ観測所)を
お迎えしてお送りしました。
ライブショーは科学技術館から見える昼間の空からスタート。
さて、この時間に星を見るためにはどうすればいいでしょうか?
宇宙へ行く、夜の場所へ行く…といった答えがお客さんからは挙がりました。
昼にも見ることの出来る星、太陽も立派な恒星のひとつです。
先日埼玉大学で撮影された太陽の写真は特殊なフィルターを使っており、
巻き上がるプロミネンスや黒点を見ることができました。
次は日本のほぼ反対側にあるアメリカに飛び、シカゴにあるヤーキス天文台との
ビビアンさんと中継をつないで夜の世界へ。しかし、現地の天気はあいにくの
曇り空。そこで、ビビアンさんには数日前に撮った月や銀河、オリオン星雲の
写真を送っていただき、英語で解説していただきました。


m42.png
図:オリオン星雲(M42)

ビビアンさんとお別れして、今度は太陽系へ。
先日、太陽系の外側にいる外縁天体の場所に、地球の10倍ほどの質量を持つ
第9惑星があるかもしれないという論文が出され、ニュースになりました。
実は、数年前に日本のグループでも似たような説が提唱されていたのです!
まだ発見されていませんが、見つかれば太陽系に新しい惑星が追加される
ことに…。第9惑星が発見されることに期待しましょう!
さらに天の川銀河全体が見えるところまで飛んで行ったところで今回のゲストコーナーへ。
ゲストの小山さんには「すばる望遠鏡で探る100億光年彼方の宇宙のすがた」
というタイトルでお話をしていただきました。
小山さんが宇宙を好きになるきっかけの一つが、ドラえもん。
ドラえもんには宇宙をテーマにした話が多く、その中でも「あべこべの星」という
話が印象に残ったそうです。
銀河は様々な形で存在していて、銀河同士が引き寄せあって集まったり衝突・合体
しています。日本から見える銀河のなかで最も近いアンドロメダ銀河でさえ
230万光年も先にあります。
さらに遠くの銀河を見たいというのが小山さんのモチベーションになっているそうです。
小山さんが働いているすばる望遠鏡は、富士山よりも高いマウナケア山頂にある
望遠鏡の一つで、天体の光を集める主鏡が直径8.2mもあります。
鏡が大きいため、約27等星まで見ることができ、40億光年先にある銀河団や
90億光年も彼方にある銀河団の観測にも成功しています。
小山さんには遠くの銀河を探し出す手法についても解説していただきました。
90億光年彼方の宇宙が見えたからといって研究はここで終わりではありません。
もっと詳しく調べるために、現在すばる望遠鏡をさらにアップグレードする
ULTIMEATE-Subaruというプロジェクトが進行しています。
望遠鏡がより高性能になることで新たな発見があるかもしれませんね!
最後に、いつかあべこべの星が見つかるかもしれないという希望を募らせつつ、
銀河を遊泳しながら宇宙の大規模構造を眺めて無事地球まで戻ってきました。
科学ライブショー「ユニバース」は、毎週土曜日に様々なゲストをお招きして、
科学にまつわる最新の話題をお届けしています。
ぜひ、科学技術館F4シンラドームへお越しください。