4月11日@科学技術館

投稿者:

本日のライブショーは亀谷和久(東京理科大学)が案内役をつとめ、
お送りしました。今日の天気はあいにくの曇りでしたが、ドームの中では
いつでも満点の星空を見ることが出来ます。20時頃西の空を見上げれば、
オリオン座やふたご座など、賑やかな冬の星空を見ることが出来ます。
続いて「ライブ天体観測」のコーナーでは、ヤーキス天文台とつなぎました。
今日はあいにくシカゴでも天気が優れなかったため、数日前に天文台で
撮った写真を見せていただきました。かに星雲、子持ち銀河、そして
マイクさんが一番好きな惑星だという土星の写真を、解説していただきました。


crab.png
図:かに星雲
m51.png
図:子持ち銀河
saturn.png
図:土星とその衛星

次に地球から離れ、「太陽系の姿」を見に行きました。惑星の名前あて
クイズでは、なんとエリスやセドナといった太陽系外縁天体の名前も
客席から聞こえてきました。
太陽系からずっと離れ、次は銀河の世界へ行きます。銀河団と呼ばれる
銀河の集団は、その巨大な重力により光の進む方向が曲げられるという
現象を起こします。これを重力レンズ効果といい、銀河団の向こう側に
別の銀河があると光が曲がってリングのような形で観測されます。この
現象を予測した人物の名前から、アインシュタインリングと呼びます。
チリのアルマ天文台では、世界で初めてきれいなアインシュタインリングを
観測しました。なんとこのニュースは4日前のニュースだそうです。最先端の
科学の話題をすぐ入手できるのも、現役の研究者が案内役であるライブ
ショーならではですね。
宇宙の果てから一気に地球まで戻ってきて、最後の 「ゲストコーナー」では
柳瀬亘さん(東京大学大気海洋研究所)から「大気の渦巻きをみてみよう」
というタイトルでお話いただきました。地球全体の雲の様子を動画で見て
みると、日本の周辺では雲が西から東へ、動いています。また、赤道付近では
台風が発生しています。台風といえば9月ごろのイメージがありますが、実は
4月にも台風は発生しています。ただ、海の温度の関係で、9月ほど台風は
発生せず、また発生したとしても日本まで辿り着くことはほとんどないそうです。
また、気象衛星の撮影した台風の眼は、完全な丸というわけではなく、
歪んでいることもあるということが確認できました。過去には六角形や
四角形といった台風の眼も観測されており、歪んだ台風の眼は風の強さにも
影響を及ぼしているそうです。
最後に、ふたごの台風が出来る様子を動画で見せて頂きました。北半球側に
出来た台風と、南半球側にできた台風(サイクロンと呼ばれる))では、渦を
巻く向きが異なります。これは、北極から見ると地球は反時計回りに自転し、
南極から見ると時計回りに自転しているため、台風の渦巻きもこれと同じ
向きになるためだそうです。
去年打ち上げられた気象衛星ひまわり8号は、これまでよりきれいな写真を
とることができます。また、これまでは30分に1枚しか取れなかった写真を、
10分に1枚撮ることができるようになります。これによってさらに大気の動きの
仕組みがわかるようになるといいですね。
科学ライブショーユニバースでは、毎週様々なゲストを招き、最新の科学の
話題をお送りしています。ぜひ科学技術館4階のシンラドームまでお越し下さい。